お金に困らないための〜税金の相続対策
お金に困らないための〜税金の相続対策
文書作成日:2020/09/05


 孫を養子にすると、相続する上でどのような効果があるのでしょうか?




 相続の対策になるということで、孫を養子縁組することを勧められました。孫を養子にすることで、相続する上でどのような効果があるのでしょうか?




 孫を養子にした後に祖父が死亡した場合、孫は「相続人」として財産を取得(以下、相続)することができます。これにより、本来なら一度長男が相続し、長男が死亡してから孫が相続するところを、相続税及び相続手続きを一世代飛ばすことができます。




1.養子縁組とは

 養子縁組とは、実際の血縁(いわゆるDNA)上の親子関係がない間柄において、法律的に親子関係を成立させる手続きをいいます。
 養子縁組は、養親と養子(又は養子の実の親)の合意があれば成立します。そして、養子は「子」として血縁のある実の子と同じ立場となり、養親が死亡した場合には相続する権利を有することとなります。

2.相続税の計算

 相続税の計算においては、法定相続人に該当する人の数(相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数)を基礎に計算する、以下の項目があります。

  • @相続税の基礎控除額【3,000万円+600万円×法定相続人の数】
  • A生命保険金、退職手当金の非課税額【500万円×法定相続人の数】

 いずれの計算も、相続税の課税対象から除外する金額を求めていますので、法定相続人の数が多いほど除外する金額は大きくなり、相続税の負担軽減へとつながります。

 また、相続税の計算は、課税される財産の総額を各相続人の法定相続分で按分してから累進税率を乗じますので、相続人の数(すなわち子供の人数)が1人増え、相続人1人当たりの法定相続分が小さくなる方が、適用される累進税率が低くなる場合があり、結果相続税額が軽減できる可能性があります。

例.【遺産】9,000万円 【法定相続人】3人(長男、二男、長女)

 このケースでは、相続税の総額は480万円です。
 そこで、孫を1人養子にした場合を計算してみますと、法定相続人が1人増えることにより基礎控除額は600万円増加します。また、法定相続分に応じた1人当たりの取得金額も減少します。これにより、適用される相続税の税率は15%から10%へと下がり、結果、相続税の総額は360万円となります。養子縁組による節税効果は120万円ということになります。

3.留意点

 このように、一定の節税効果が期待できる養子縁組制度ですが、相続税の計算をする上で無制限に養子を認めると、相続税の課税逃れが横行する危険が生じます。
 そのため、相続税の計算上法定相続人の数にカウントできる養子の数は1人(被相続人に実の子がいない場合には2人)まで、と決められています。
 このルールにより、養子縁組は1人しかできないと思っている方も多いのですが、これはあくまでも相続税を計算する上でのルールであり、法律(民法)上は何人でも養子縁組が可能であり、養子となった人は全て平等に相続する権利があります。

 相続税の計算上は有利になる養子縁組ですが、本来の相続人以外の方に相続権が発生するため、他の相続人は自身の取り分が少なくなるなどの不利益を被ることもあり、実際にはトラブルも少なくありません
 また、孫養子については相続税負担を一世代飛ばす結果となりますので、税制面では、孫養子の相続分について納付すべき相続税が2割増となる、というデメリットにも留意しましょう。

 せっかくの対策がトラブルを招く結果とならないよう、このような相続対策が必要であれば、事前に当事務所へご相談ください。


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